株式会社の設立
他の会社形態と比べ、信用力が高いのは「株式会社」です。社会的に信用力のある会社を作りたい場合は、「株式会社」の設立がお勧めです。
ここでは、株式会社の特徴についてご紹介します。
株式会社の特徴
株式会社の特徴としては、下記のような点が挙げられます。
1, 出資者1人以上で設立できる
2, 全ての出資者が有限責任
3, 所有と経営が分離している
1.出資者1人以上で設立できる
株式譲渡に制限のある、家族経営のような非公開会社であれば、取締役1人だけでも株式会社を設立出来ます。
2.全ての出資者が有限責任
株式会社の所有者である株主には、所有する株式会社の借金を返済する義務はありません。株式会社が借金をしているとしても、その借金の返済義務を負うのは会社自身になります。株式会社が負う損害賠償責任、債務不履行責任などについても同様です。
株主は、現金や不動産などの現物財産を出資することになりますが、それ以上の負担、責任を迫られることはありません。これを「株主有限責任の原則」と言います。この原則があるからこそ、投資家は株式会社に安心して出資できるということになります。
3.株式会社は、「所有」と「経営」が分離している
株式会社の所有者は、株主です。
これに対し、株式会社を実際に経営するのは、株主によって選任された取締役・代表取締役・監査役などの役員です。所有者と経営者の役割が分かれておりますので、これを「所有と経営の分離」と言います。
株式会社の設立時に決めておかなくてはならないこと
株式会社の設立に下記のような項目を決めておく必要があります。
1.商号
2.本店(本社)住所
3.営業目的
4.資本金額
5.決算日
1.商号
商号とは会社の名称のことです。
どんな商号にするかは基本的に自由ですが、既に存在しているものと同じ商号を使用する際には注意が必要です。また、法律で使用が制限されている名称もあります。例えば「株式会社 京都府」のような、特定の固有名詞が商号に入る場合は、その商号が使用できない場合もありますので、事前の確認が必要です。
2.本店(本社)住所
本店とは、会社の本拠地のことです。工場、店舗、事務所など、主に業務を行う場所の所在地を本店にします。自宅で開業する場合は、自宅住所を本店住所とするかたちになります。
3.会社の営業(事業)目的
営業(事業)目的とは、会社が行う事業内容のことです。定款に定め、登記することで会社がどのような事業をしているのか公開されます。設立時に盛り込むべき事業は、現時点で行っている事業と、今後行う予定のある事業に関するものです。
会社の事業目的は、はじめに決めたものに変更や追加があった場合、法務局にて手数料を支払って、再度、変更の手続きを行わなければなりません。従って、今後行う予定のある事業についても、あらかじめ事業目的に盛り込むようにしましょう。
また、事業目的を決める際に大切なことは、許認可が関係する事業を行うかどうかです。事業によっては、許可がなければ始められないビジネスもあります。事業目的を決める際には、各種の営業許可・認可なども事前に十分注意しなくてはなりません。
4.資本金額
以前は、株式会社の場合、資本金を最低でも1,000万円にする必要がありましたが、法律が改正されて、現在では、資本金1円でも株式会社を設立できるようになりました。
しかし、その資金から会社の機材を購入したり、事業の必要経費を支払ったりしていくことになります。ので、現実的には資本金1円の会社は成り立ちません。資本の額が決定したら、その次に1株あたりの価格を決めることになります。
一株の価格が決まったら、発起人が何株引き受けるのかを決定します。発起人が1名の場合は、1株の価格×発行株式=資本金の総額となり、その発起人が株主になります。
5.決算日
会社は1年ごとに会計の区切りをつけます。決算は、1年間に数回行うことも可能ですが、多くの会社が年1回の決算としています。
決算日の中で、一般的に多いのが「毎年4月から翌年3月31日」です。決算期を決める方法としては、行うビジネスの一番忙しい時期を避けたり、暦上の予定を考慮した上で決算期を決定しています。